マイクロバイオーム-腸内細菌と口腔細菌
実は副作用だけじゃない。犬のアモキシシリンと腸内細菌への影響
人間界でも動物病院でも広く使用される抗生物質「アモキシシリン」。一時的な下痢などの副作用がある事は知られていますが、腸内細菌にも大きな影響が見られます。 ここでは腸内細菌の解析現場から見えてきたデータを元に、「何が起きているのか」について記載します。 そもそもアモキシシリンとは? ペニシリン系の抗生物質 アモキシシリンはペニシリン系の抗生物質で、細菌の細胞壁の合成を妨げて増殖を抑えます。動物病院では皮膚の感染症、膀胱炎などの尿路感染症、呼吸器の感染症、歯周病などで処方されることが多い薬です。 ペニシリンというのは、世界で初めて実用化された抗生物質で、これまで膨大な数の人命を救ってきた輝かしい歴史があります。 関連商品:抗生物質の影響も見える、犬の腸内フローラ検査 アモキシシリンの副作用 まずは一般論として 犬のアモキシシリンで最も多い副作用は、下痢・軟便・嘔吐・食欲不振といった消化器症状です。多くは軽度ですが、顔の腫れ・じんましん・呼吸が苦しそうといったアレルギー症状が出た場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。 そして腸内細菌の異変 また、アモキシシリンは病原細菌だけでなく腸内細菌にも作用します。本記事では副作用の種類と受診の目安に加え、Forema Laboが解析した投与前後の腸内細菌叢データから、腸内環境への影響を解説します。 関連記事: 犬猫の抗生物質(フラジール)と副作用 腸内細菌にどう影響するか(Forema Labo調べ) 腸内細菌の組成を変える アモキシシリンは腸内細菌に広くダメージを与えます。結果として腸内の生態系が崩れ、そのバランスを大きく変化させます。 Forema Laboでは、アモキシシリンをはじめ、抗生物質の投与歴がある犬の腸内細菌叢を数多く解析していますが、投薬後は健常群とは明らかに異なる腸内細菌パターンが出現します。 関連記事:犬の全身性エリテマトーデスと腸内細菌の関係 バクテロイデス属の増加 「バクテロイデス属」というのは腸内の主要な常在菌の1つで、バランス維持に重要な役割を持ちます。このグループはペニシリン系に対して耐性を持つため、アモキシシリンで他の細菌らが減少しても、ダメージを受けず生き残ります。結果として勢力が増加します。 一方で、アモキシシリンとクラブラン酸を併用した場合、「バクテロイデス属」の薬剤耐性は無効化されるため、「バクテロイデス属」も大きく数を減らします。これはこれで大きな災厄につながる懸念があります。 関連記事:犬と猫と抗生物質について 他の常在菌らの減少 「バクテロイデス属」以外にも、主要な常在菌として知られる「P. ヒラノニス」や「フソバクテリウム属」などはアモキシシリンで大きく数を減らします。前者は胆汁酸を分解して二次胆汁酸(ウルソで知られるUDCA)を産生します。後者は、常在メンバーながらも増えすぎる事で不具合に直結しやすいグループです。 関連記事:犬の腸と皮膚,腸とメンタル 感染症関連の細菌が像化...
実は副作用だけじゃない。犬のアモキシシリンと腸内細菌への影響
人間界でも動物病院でも広く使用される抗生物質「アモキシシリン」。一時的な下痢などの副作用がある事は知られていますが、腸内細菌にも大きな影響が見られます。 ここでは腸内細菌の解析現場から見えてきたデータを元に、「何が起きているのか」について記載します。 そもそもアモキシシリンとは? ペニシリン系の抗生物質 アモキシシリンはペニシリン系の抗生物質で、細菌の細胞壁の合成を妨げて増殖を抑えます。動物病院では皮膚の感染症、膀胱炎などの尿路感染症、呼吸器の感染症、歯周病などで処方されることが多い薬です。 ペニシリンというのは、世界で初めて実用化された抗生物質で、これまで膨大な数の人命を救ってきた輝かしい歴史があります。 関連商品:抗生物質の影響も見える、犬の腸内フローラ検査 アモキシシリンの副作用 まずは一般論として 犬のアモキシシリンで最も多い副作用は、下痢・軟便・嘔吐・食欲不振といった消化器症状です。多くは軽度ですが、顔の腫れ・じんましん・呼吸が苦しそうといったアレルギー症状が出た場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。 そして腸内細菌の異変 また、アモキシシリンは病原細菌だけでなく腸内細菌にも作用します。本記事では副作用の種類と受診の目安に加え、Forema Laboが解析した投与前後の腸内細菌叢データから、腸内環境への影響を解説します。 関連記事: 犬猫の抗生物質(フラジール)と副作用 腸内細菌にどう影響するか(Forema Labo調べ) 腸内細菌の組成を変える アモキシシリンは腸内細菌に広くダメージを与えます。結果として腸内の生態系が崩れ、そのバランスを大きく変化させます。 Forema Laboでは、アモキシシリンをはじめ、抗生物質の投与歴がある犬の腸内細菌叢を数多く解析していますが、投薬後は健常群とは明らかに異なる腸内細菌パターンが出現します。 関連記事:犬の全身性エリテマトーデスと腸内細菌の関係 バクテロイデス属の増加 「バクテロイデス属」というのは腸内の主要な常在菌の1つで、バランス維持に重要な役割を持ちます。このグループはペニシリン系に対して耐性を持つため、アモキシシリンで他の細菌らが減少しても、ダメージを受けず生き残ります。結果として勢力が増加します。 一方で、アモキシシリンとクラブラン酸を併用した場合、「バクテロイデス属」の薬剤耐性は無効化されるため、「バクテロイデス属」も大きく数を減らします。これはこれで大きな災厄につながる懸念があります。 関連記事:犬と猫と抗生物質について 他の常在菌らの減少 「バクテロイデス属」以外にも、主要な常在菌として知られる「P. ヒラノニス」や「フソバクテリウム属」などはアモキシシリンで大きく数を減らします。前者は胆汁酸を分解して二次胆汁酸(ウルソで知られるUDCA)を産生します。後者は、常在メンバーながらも増えすぎる事で不具合に直結しやすいグループです。 関連記事:犬の腸と皮膚,腸とメンタル 感染症関連の細菌が像化...
犬の全身性エリテマトーデスと腸内細菌の関係
大抵の人は「全身性エリテマトーデス(SLE)」と言われてもピンと来ないはずです。ましてや、愛犬がそのような診断名をくだされたら、理解するのに多くの時間がかかるはずです。 ここでは、特に犬で珍しい難病、全身性エリテマトーデスについて、特に腸内細菌解析の視点から解説します。
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大抵の人は「全身性エリテマトーデス(SLE)」と言われてもピンと来ないはずです。ましてや、愛犬がそのような診断名をくだされたら、理解するのに多くの時間がかかるはずです。 ここでは、特に犬で珍しい難病、全身性エリテマトーデスについて、特に腸内細菌解析の視点から解説します。
獣医さんも教えてくれない? フラジールの本当の問題
動物病院で処方されるお薬、フラジール(メトロニダゾール)。ジアルジアの駆虫のみならず、下痢や炎症の抑制を用途として頻繁に登場します。フラジールは抗生物質であり、お薬なので当然ながら副作用があります。ところが、本当の問題についてはほとんど言及される事がありません。
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動物病院で処方されるお薬、フラジール(メトロニダゾール)。ジアルジアの駆虫のみならず、下痢や炎症の抑制を用途として頻繁に登場します。フラジールは抗生物質であり、お薬なので当然ながら副作用があります。ところが、本当の問題についてはほとんど言及される事がありません。
ネットで抗生物質を買ってはいけない
Web検索で「フラジール 犬 口コミ」などで検索すると、オンライン販売の口コミページを見ることができます。 お薬のオンライン販売自体が危うい商法ですが(※)、寄せられているレビューでは、下痢が治った、便利、などのコメントを中心に、風邪薬のような感覚で使用されている様子が伺えました。そしてこれは、とても危ういことです。
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犬・猫の腸内フローラ検査は「意味がない」のか?
過去に腸内フローラ検査を受けたけど、結局何なの? 意味あるの? と思った方もいるかもしれません。実際に腸内細菌の解析を行っている当事者の立場からお答えします。
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過去に腸内フローラ検査を受けたけど、結局何なの? 意味あるの? と思った方もいるかもしれません。実際に腸内細菌の解析を行っている当事者の立場からお答えします。
遺伝性の疾患と腸内細菌
遺伝子解析が普及し、疾患のリスク遺伝子の保有有無がわかる時代になってきました。 それに伴い、リスク遺伝子があっても発症する場合、しない場合がある事も分かってきています。何が異なるのでしょうか? ここでは遺伝も関連する自己免疫疾患に絞って記載します。
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遺伝子解析が普及し、疾患のリスク遺伝子の保有有無がわかる時代になってきました。 それに伴い、リスク遺伝子があっても発症する場合、しない場合がある事も分かってきています。何が異なるのでしょうか? ここでは遺伝も関連する自己免疫疾患に絞って記載します。
腸内細菌解析 一覧
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