猫の「食べない」の深層

猫の「食べない」の深層

愛猫に高いフードや良質のお肉を用意しても、「なぜか食べてくれない」という問題があります。「うちの子は好き嫌いが激しくて..」と思ってしまいがちですが、ここに別の問題が潜んでいる可能性があります。

小麦で肉を食べなくなる?

小麦やトウモロコシが主成分のフードを食べている猫は、お肉への嗜好が低下する傾向があります。

こうした猫たちにおいて、腸内細菌そのものが「肉食動物の組成ではなくなっている」という事例が多く見られ、結果として嗜好に影響が出ている可能性があります。(腸内細菌による宿主コントロール)

この状況で猫ちゃんの好きな物だけを与えていると、ますます本来の食性から遠ざかってしまいます。するとどうなるか??

腎臓トラブルの背景

小麦やトウモロコシばかり食べている猫の腸内では、腎臓トラブルに関与する腸内細菌たちが増加する強い傾向があります。

これらは尿毒素や、それに関連する成分を生み出す事で腎臓や肝臓、膵臓など広範な負担に影響すると考えられます。(すでに腎臓トラブルの出ている個体では尿毒素産生菌の増加が目立つ)

腎線維症

腎臓病末期に見られる腎線維症は、尿毒素産生菌らが関与するほか、ウレアーゼ産生菌らの増加によっても促進される事が報告されています。ウレアーゼ産生菌は腸内細菌のバランス悪化によって増加する強い傾向があり、一部はIBD(炎症性腸疾患)にも関与します。

こうした事象は、元を辿っていくと、猫本来の食から逸脱してしまった事が大きな要因だった可能性があります。

猫は完全肉食動物です。それがお肉を食べないのは「異変」でしかありません。

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