愛犬,愛猫のアルブミンが低下..その時何が??
(最終更新日: )蛋白漏出性腸症などに見られるアルブミンの大幅な低下。衰弱し死に至ることも少なくありません。
にもかかわらず、原因不明のままステロイド投与という対処療法に終始することも..
この時腸内で一体何が起きているのでしょうか?いくつかあるパターンの中から、良く見られる1例をご紹介します。
主要な腸内細菌グループの崩壊
アルブミンの数値が低下した犬/猫の腸内で頻繁に見られるのは「主要な常在細菌グループ」の崩壊です。
中でもよく見られるのが「バクテロイデス門」という常在グループの崩壊で、これらがグループごと枯渇している、もしくは一部の細菌属/種だけが突出して増加するなど、いびつな構造になっているなどの事例が頻繁に見られます。
最初は症状が出ない?
このような組成の初期段階は、一見健康に見える個体でもしばしば見られます。
飼い主さんは気づかない事が多い一方で、炎症に関連する細菌が増えていたり、IBD(炎症性腸疾患)に関与する細菌が目立ち始めます。
この時点でアレルギー症状や軟便などの異変が表面化することもあり、いわゆる「未病」の状態と言えます。
炎症が炎症を呼ぶ
「主要な常在グループ」の不在によって炎症が進んだ腸内では、腸内粘膜に異変が生じ、腸壁を覆う上皮バリアーの機能も低下します。
漏れてはいけない物質や細菌などが腸壁から外側(つまり体の内側)に進出し、さらなる炎症につながります。
この過程のどこかでアルブミンの漏出も起きていることが多く、不具合が表面化した時には腸内は大火事という事が大半です。
主要な常在グループはなぜ枯渇したか
大本の原因と考えられる、腫瘍常在菌グループの枯渇はなぜ起こったのでしょうか?
後天的な理由としては抗生物質の過剰使用による副作用が一般的です。もちろん日々の食はとても重要な事項です。
一方、母体の腸内環境がすでに悪化していた場合、生まれてくる子犬/子猫の腸内環境も悪影響を受けてしまいます。(劣悪な環境の繁殖現場)
この場合、腸内組成の崩壊は先天的な問題とも言え、どこまで改善できるのかは未知数です。打てる手を打っていくしかありません。
アルブミンの低下は結果
重要なのは、腎不全や膵炎、IBD、そして悪性腫瘍の個体でも同じような腸内組成がしばしば見られるという点です。
これは、不具合が出る場所がたままた異なっただけで、大元の原因は近いところにあるという可能性を示唆しています。
改善していくには、まずは「腸内の微生物と共存する」という基本的な概念を理解していくところから始まるのではないでしょうか
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Forema Labo チーム
腸内細菌や、環境中の微生物群集の解析~研究を行っています。Forema ラボでの数千件の解析データを元に、犬猫の腸内細菌と健康の関係、腸内環境と全身の健康との関係、そして自然界や生態系の話を発信しています。
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