そこにある脅威?犬と猫とウェルシュ菌の話

そこにある脅威?犬と猫とウェルシュ菌の話

「ウェルシュ菌」という名前は、多くの方が一度は耳にした事があるはずです。「ウェルシュ菌」は食中毒の原因になり、加熱でも死なないため厄介な存在と言えます。

そんな強敵が、犬や猫の腸内で増加する事例がしばしば見られます。何が起きているのでしょうか?

ウェルシュ菌ってなんだろう??

腸内の細菌たち

芽胞を形成する

「ウェルシュ菌」は代表的な病原性細菌の1つであり、分類としては「クロストリジウム属」というグループです。このグループには「ボツリヌス菌」や「破傷風菌」などが分類され、近縁種には院内感染症で有名な「ディフィシル菌」がいます。

そんな「ウェルシュ菌」にはいくつかの特徴があります。具体的には..

  • 食中の原因になる
  • 重症化しやすい
  • 芽胞を作ることで過酷な環境に耐える
  • 12種類もの毒素/酵素を酸性
  • 幅広いpHで生存可能
  • 自然界に広く分布

芽胞(がほう)というのは強力なバリアの役割をする殻で、一部の細菌たちは環境が過酷になると芽胞を作ってその場をやり過ごします。

こうした特徴を持つ細菌たちをまとめて芽胞菌と呼びます。サプリでも使用される納豆菌や宮入菌なども芽胞菌の仲間で、その特性から胃酸を通過して腸内に届きやすいというメリットがあります。

ただし病原性細菌が芽胞を作るとやっかいな事になります。(※ウェルシュ菌と近縁種のボツリヌス菌なども芽胞を形成します)

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「ウェルシュ菌」が入ってくるとどうなる??

ウェルシュ菌が腸内で増えた場合に起こる代表的な症状は

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 血便

です。

特に水様便や不定期の血便が長引いて改善が見られない個体の場合、腸内細菌を解析すると比較的高頻度で「ウェルシュ菌」の大幅な増加が見られます。しかしながら、腸内には本来、外敵を防除する機能が備わっています。にもかかわらずなぜ「ウェルシュ菌」が増加してしまうのでしょうか?

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ウェルシュ菌はなぜ増えた??

「ウェルシュ菌」はどこから来て、なぜ増えてしまったのでしょうか? 実は「ウェルシュ菌」は自然界に広く分布しており、そのあたりに普通に存在しています。冷蔵庫内の古くなった肉(腐る前のもの)などで増加することもあり、食材に気をつける必要はあります。

が、それ以前の実情として、犬や猫は健康個体であっても腸内に微量に「ウェルシュ菌」を保有しているのが通常です。(これは他の病原性細菌も同様です)

つまり、保有は普通なのです。

子犬や子猫、特に保護された個体で「ウェルシュ菌」が増えている事例もしばしば見られますが、これは自然界で拾ってきたものが宿主の弱体化によって感染症に発展したと考えるのが自然です。

また、健康個体の場合も、体調不良や加齢による弱体化で「ウェルシュ菌」が自然増殖します。「ウェルシュ菌」は、いわば宿主の健康のバロメーターのような存在と言えるでしょう。過剰な増加は「ウェルシュ菌」の問題ではなく、宿主側の問題と言えます。

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ウェルシュ菌は抑制できるか?

町内の病原性細菌たち

乳酸菌は有効な選択肢

「ウェルシュ菌」の抑制は可能です。ウェルシュ菌は腸内の乳酸菌グループの増加と反比例して減少していく事例が多く見られます。

話を単純化するならば、乳酸菌を増やすと「ウェルシュ菌」は減る、という事です。

ただし、そうならない場合もあります。それは宿主の根本の部分が弱っている場合や、腸内に深刻なバランス崩壊が起きている場合などです。

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乳酸菌で回復しない個体とは??

乳酸菌で「ウェルシュ菌」の抑制ができない個体の場合、腸内の主要な常在メンバーが壊滅していることが大半です。

ここに乳酸菌だけを送り込んでも根本の解決には繋がりません。

主要メンバーの壊滅は、主には

  • 抗生物質
  • メインのフードに重要な欠陥がある
  • 母体の問題,その他先天的な事情

に由来します。

こういう場合、腸内の根本的なバランス改善以外に有益な選択はありません。具体的には

  • プレバイオティクスの継続摂取
  • メインフードの見直し (トウモロコシや小麦が主原料のものは避ける)
  • 発酵食品(プロバイオティクス)の導入

が主軸と言えます。

これらを、1つの成分に偏らず広く行うことで、腸内の広い範囲の細菌たちに好影響を与えます。

雑食性の犬と肉食性の猫では食物繊維の扱いがいくらか異なりますが、基本方針としては上記により、腸内環境の整備が進みます。それらの結果が宿主の健全化につながり「ウェルシュ菌」の抑制に至ります。

 

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