細菌たちの共謀!? 犬と猫の腸内で起きていること

細菌たちの共謀!? 犬と猫の腸内で起きていること

腸内細菌たちは会話をしています。

その方法の一つが「メンブレンベシクル(MV)」と呼ばれるシグナル分子で、さまざまなメッセージが込められています。

メンブレンベシクルの働き

情報を共有するシグナル分子

1つの細菌株が「メンブレンベシクル(以下MV)」を周辺に放出すると、受け取った細菌たちは、それに呼応した反応を起こします。

例えば、とある株が薬剤耐性の能力を獲得すると、その方法がMV経由で仲間達に伝えられ、共有されます。(水平伝播)

「MV」が重要なのは、種(しゅ)を超えてしまうという点かもしれません。

種(しゅ)を超えて広がるMV

「MV」が種を超えるというのは、例えば大腸菌が放出したシグナルに、緑膿菌やウェルシュ菌などが影響されるということです。

1つの病原性細菌に対して抗生物質を使用すると、関係ないグループまでが薬剤耐性を獲得し、反撃に加わる可能性があります。

疾患のある個体の腸内では、不穏な細菌グループが徒党を組んだように増殖しているケースがしばしば見られますが、これらも「MV」によって会話をし、共謀しているのかもしれません。

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環境に影響を与える

腸内を満たすMV

「MV」のようなシグナル分子は腸内に満ちています。どんなメッセージが「場を席巻」するかによって腸内環境に与える影響は変わってくると考えられます。

人間界でいうところの「世の風潮」とか「世相」のようなものが醸造され、腸内全体で共有されていると例えることもできます。

当然、住人たちが荒れれば「世相」も荒れます。荒れた「世相」の結果として数々の疾患に至っているのかもしれません。

宿主にも影響するMV

「MV」は、細菌どうしだけでなく、宿主の免疫機構にも影響を与えることが分かってきています。

乳酸菌などの有益菌も、ウェルシュ菌などの病原性細菌も、それぞれがシグナルを発しながら、免疫細胞などに影響を与えています。

結果として、炎症の鎮静や抑制が行われ、うまくいけば健康長寿やパフォーマンスの向上、悪く作用すればメンタルや健康への悪影響として表面化します。

私たちやペットの現況は、細菌たちの出す膨大なシグナルによって大きく左右されます。

うまく事を進めるには、統治者として、腸内を穏便に、そして健全なる「世相」で満たされるようケアしてあげる必要があるのですね。

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