犬と猫の腸内細菌からは、ほぼ例外なく微量の結核菌が検出されます。
「この時代に結核!?」と驚く方も多いかもしれません。そしてこの結核菌、実は人間の検体からも頻繁に検出されています。
結核菌はビフィズス菌と同じグループ
結核菌は正式名称を「Mycobacterium tuberculosis」といい、かのコッホによって発見されました。
大きな"くくり"でいうと、ビフィズス菌と同じ「アクチノバクテリア門」というグループですが、ご存知のように、かつては不治の病とされていた結核の原因菌です。
結核という強烈な印象があるため恐ろしい存在に聞こえますが、上述の通り、実は多くの個体が微量に保有しています。結核菌以外にも、名前を聞くと驚くような細菌たちが、実際には多くの個体から微量に検出されます。
昔も今も、それらはそうやって密やかに宿主と共存してきたのでしょう。
疾患個体で増える
普段はおとなしく共存している結核菌は、しかしながら腸内バランスの崩れた個体で増加する傾向があります。また、他の病原性細菌の増加と歩調を合わせるように数を増やしたり、気管支炎と診断されている個体から多く検出されることもあります。
こう見ると、結核はそれ自体が原因というよりも、宿主弱体化の結果として起きていた出来事なのかもしれません。
薬の効かない結核
現代では簡単に治る病気となった結核ですが、実はいま、お薬が効かない結核が増えています。薬剤耐性菌です。
抗生物質を使いすぎた結果、一部の結核菌が耐性を持ち、どんどん世界中で増加しています。これらが勢力を持ってしまうと、結核が不治の病だった100年前に逆戻りしてしまいます。そしてこの出来事は、黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌を始め、多くの病原性細菌で同時に起こっています。
お薬で治らないのであれば、どうやって防げば良いのでしょうか?
答えは腸内の味方たちにあります。
お薬で治らない感染症は、腸内の味方たちに抑制してもらうのが最善です。そしてそれは、腸内環境改善によって実現可能です。