犬の下痢/猫の下痢はオリゴ糖で治せるか

犬の下痢/猫の下痢はオリゴ糖で治せるか

犬や猫の下痢でお困りの飼い主さんから相談を受ける事例が増えています。ここではオリゴ糖にテーマを絞り、愛犬/愛猫の下痢が解決できるかについて考察します。

愛犬/愛猫の下痢は改善可能?

結論から書くと、改善は十分期待できます。ただし表現的にも「オリゴ糖で下痢が治ります」とは書けない点はどうかご理解ください(※広告表現等に関する法的な理由)。

オリゴ糖はプレバイオティクスとして広く認知されているものであり、いくつかの製品はトクホにも認定されています。効用についての文献は多数存在し、Foremaの自社ラボや社内実験においても優秀な成績が得られています。

一方で、ひとことでオリゴ糖といっても多数の種類が存在し、それぞれの特徴や分量、使用方法などで得られる結果は異なるという点は重要です。

オリゴ糖とは何か? 種類について

オリゴ糖は、化学的には「単糖が2〜10個連なったもの」と定義されており、「少糖類」として分類されています。広い意味での食物繊維でもあります。主要なものをご紹介します。

フラクトオリゴ糖

玉ねぎやごぼう、甜菜といった根菜類に含まれます。腸内細菌に与える影響の幅は広く、乳酸菌やビフィズス菌のみならず、複数の分類をまたぎ、主要な常在菌の育成に貢献します。Foremaではフラクトオリゴ糖を主体として腸内環境改善をすすめています。

ガラクトオリゴ糖

牛乳などに含まれる乳糖から作られるオリゴ糖です。フラクトオリゴ糖同様に幅広い腸内細菌の育成に貢献しますが、フラクトオリゴ糖と併用する事で補い合い、バランスの良い腸内細菌育成につながります。ここでいうバランスとは、「特定の細菌種だけが突出して増加する」といった極端な育成/増加を抑制するという趣旨です。

ラフィノース(ビートオリゴ糖)

甜菜が原料のオリゴ糖。腸内ケア、口腔ケアの双方に活躍します。

ラクチュロース(ミルクオリゴ糖)

がラクトオリゴ糖同様に乳糖から作られるオリゴ糖。一部の硫酸塩還元菌の抑制の報告があり、Foremaラボでの検証でも同様の結果が確認できています。原価が高額。

イソマルトオリゴ糖

大豆などを原料に作られるオリゴ糖。他のオリゴ糖と異なり、一部が小腸で分解されるため、「プレバイオティクスとは呼べない」といった趣旨の文献もいくつか存在しますが、実際には難消化性の成分も多く含まれ、整腸効果などメリットを報告する文献も複数存在します。

アガロオリゴ糖

アガロース(寒天)から作られますが、特定の企業が独占しており、原価が他のオリゴ糖の10倍ほどするという産業構造的な課題があります。代替として、寒天をそのまま摂取する方法が妥当です。

マンノースオリゴ糖

マンナンオリゴ糖とも呼ばれています。コーヒー豆やこんにゃく芋などが原材料ですが、国内では主だった事業者による生産はなく、流通していません。

環状オリゴ糖

口腔ケア用途で(業界内で)話題になった事があります。これはサプリ用途というよりも、医薬品をコーティングする用途で使用されています。

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下痢の個体の腸内で何が起きているか?

炎症を促進する細菌たち

一過性の下痢は、異物の混入や一時的な体調不良で起こり得る、腸内の浄化作用と言えます。

一方で、慢性的な下痢/消化器トラブルの場合は状況が異なります。

慢性的なトラブルをかかえる個体の腸内では、多くの場合炎症が進行しています。炎症性腸疾患(IBD)にも関連する特定の細菌種や細菌グループが増加していたり、逆に炎症を抑制するグループが消失しているなどの現象が頻繁に見られます。

犬や猫にはビフィズス菌ではない

オリゴ糖は一般的に「ビフィズス菌を増やす」「乳酸菌を増やす」という効用で認知されがちですが、犬や猫にとってビフィズス菌はそこまで重要な存在ではありません。

炎症が進んだ犬の腸内においては「本質はそこではない」というのが真相です。

上で触れた「炎症を抑制するグループが消失している」という点が慢性的な消化器トラブルの根本である事が多く、オリゴ糖類はこの部分の改善に大きく貢献します。

Forema ラボでの多数事例の検証から、オリゴ糖は複数併用の方が改善の傾向が強く、先述のオリゴ糖類を複数併用する事で安定的な改善が期待できます。

オリゴ糖の使い方

犬の場合は、甘くて喜んでくれるので、おやつ用とでも使用可能ですが、できれば決まった量を、フードに混ぜてあげることをお勧めします。

その上で、無糖のプレーンヨーグルトと併用してあげる事で整腸作用の相乗効果が期待できます。

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