猫にとってイヌリンとオリゴ糖は役に立つか?

猫にとってイヌリンとオリゴ糖は役に立つか?

人間の整腸において定番となったオリゴ糖やイヌリン。

猫にとっては有益なのでしょうか? そもそも猫に与えて大丈夫なものなのでしょうか?

ここでは、実際に自社ラボで腸内細菌を解析して得られた実例やデータをもとに、猫のイヌリンとオリゴ糖について記載します。

猫に与えても大丈夫?

猫にイヌリン

結論から書くと、猫にイヌリンは問題ありません。軟便であれば便の硬さが増し、便秘気味であれば便通の改善が期待できます。両者は矛盾するようですが、これは腸内細菌の組成バランスが改善することによる、腸機能の正常化の結果と言えます。

ただし、猫にとって繊維質が過剰になることは最善ではありません。人間や犬と同じ感覚で使用するのではなく、あくまで控えめに導入していく事が重要な可能性があります。(詳細後述)

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猫にオリゴ糖

こちらも結論から書くと、猫にオリゴ糖は問題ありません。オリゴ糖は、その名称や見かけからは想像し難いですが、広義では食物繊維に該当します。一言にオリゴ糖と言ってもたくさん種類があります。(ここでは割愛します)

Forema では、犬、猫、人間には、まずはフラクトオリゴ糖/ガラクトオリゴ糖を基本としてお勧めしています。その上で、特に猫はミルクオリゴ糖の相性が良く、プラスアルファとして使用する場合におすすめです。ただし他のオリゴ糖よりも高額です。

これらもイヌリン同様、猫ちゃんの場合はやや控えめに使用してあげてください。

尚、オリゴ糖の違いは、純粋に原材料の違いです。(稀に環状オリゴ糖など特殊な場合もあります)

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そもそもイヌリン/オリゴ糖ってなんだ?

イヌリンとは?

イヌリンは水溶性食物繊維の一種で、サトウキビやテンサイ、玉ねぎ、ゴボウ、菊芋など、野菜や根菜に含まれます。サトウキビやテンサイであれば、砂糖を生成する際に副産物として生産されるため、そうしたものが製品として流通しています。

プレバイオティクスの1つでもあり、便通の改善や便スコアの改善、糞便量の増加などの報告があります。

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オリゴ糖とは?

オリゴ糖は少糖類の中の1群で、スクロース(ショ糖)に果糖が1〜3個結びついたもの。プレバイオティクスの1つであり、広義での食物繊維でもあります。

乳酸菌やビフィズス菌のエサとなり、増殖に貢献しますが、実際にはそれ以外の広い範囲の細菌たちのエサになり、腸内環境の変動に絶大な影響を及ぼします。

例えば、主要な常在菌で日和見菌とも呼ばれがちな「バクテロイデス属」やプロバイオティクス候補として期待される「F.プラウスニッツィ」などの酪酸産生菌(らくさんきん)、いくつかの病原性細菌を含む「クロストリジウム属」、そして「大腸菌(※)」etc..、実にさまざまなグループによってエサにされています。

そして、それこそが正常な腸内の状況であり、結果として適正なバランスが出来上がります。

※ 尚、大腸菌は是以上な常在菌です。一部の病原性を持った株が疾患に関与します。

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猫に食物繊維は慎重に

猫は肉食動物です

猫は、犬と違って完全肉食性の生き物です。当然ながら人間とも異なります。

ところが市販のキャットフード、特にダイエット用途のフードなどは主原料がトウモロコシや小麦となっているものが多く見られ、大変悲惨な状況です。

パッケージはヘルシーでとても美味しそうであり、もっともらしい事が書いてありますが、それは飼い主さんに向けて書いてあるのであり、猫にとって最善だから書いているのではありません。

飼い主さんのダイエットの常識を猫に当てはめると、厳しい結果になります。

猫に過剰な食物繊維のリスク

猫は肉食動物です。野菜や穀物を主原料として食べてきた生き物ではありません。犬が人と暮らし始めた2万年前ころと比較して、現在のDNAは大きく変化しているのに対し、猫は原種からほとんど変わっていないという話があります。我が道をいく猫らしいですね。が、それは肉食性が野生の頃から変わっていないという事を意味するのではないでしょうか?

自然界においては、猫は齧歯類や鳥類を捕食し全てを取り込む事で、内臓などから未消化〜消化済みの穀類や植物質を摂取します。

それに対し、ダイエットフードはトウモロコシや小麦を主食として直接摂取させるものであり、どう考えても正常ではありません。ビートパルプも同様です。

糞便量が増え、体重が落ちるという目に見えるメリットもありますが、それ以上に腸内で大きな弊害が生まれます。

トウモロコシ/小麦/過剰な食物繊維によって猫の腸内で起こる事

トウモロコシや小麦主体のフードを食べ続けた猫の腸内では、牛の胃袋などに生息する類の細菌たちが増えます。セルロースなどの植物質を分解する細菌たちです。

人間のベジタリアンも近い傾向があり、牛やヤギなど、反芻動物の第一胃(ルーメン)のと共通する細菌たちが目立ち始めます。

これは、雑食性の人間にとっては問題なく、むしろ酪酸産生菌(らくさんきん)の保有が増えるなど健康長寿に直結します。

が、肉食性の猫の場合は意味合いが異なります。長期間摂取することで、ある日血便や嘔吐が始まり、原因不明と診断されます。

※行き詰まった飼い主さんが腸内細菌解析を依頼してくるケースが多い)

トウモロコシは最善ではない別の理由

猫にトウモロコシという時点で最善ではありませんが、アメリカの国策において、トウモロコシは重要な作物であり「食物繊維として芯まで使える」という存在。捨てるところがない有益な繊維質なのです。そして生産量の半分以上が家畜用途で使用されています。

家畜用途の中には当然、ドッグフードやキャットフードも含まれています。

つまり肉食性の猫がトウモロコシの芯を食べさせられている可能性は小さくないと言えます。事実、腸内細菌解析の結果から、その状況を裏付けるような情報の断片が多く見つかっているのが実情です。

イヌリンやオリゴ糖はまともな選択

上述のトウモロコシなどに比べると、イヌリンやオリゴ糖でおかしな腸内組成になる事例は多くありません。(元のバランスが崩壊している場合は極端な反動を示す事があり)

ダイエットや整腸目的で食物繊維が必要なのであれば、ダイエットフードではなく、イヌリンやオリゴ糖をやや控えめに継続しながら、整腸を継続していくことをお勧めします。

腸内の偏りを防ぐためにも、オリゴ糖は可能な限り複数種の併用がおすすめです。猫と相性のよいミルクオリゴ糖もぜひ。

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