アレルギー反応や炎症抑制のため、人もペットもステロイドを処方されることは少なくありません。(コルチゾールなど)
もはや聞き慣れたステロイドが、脳に悪影響を与えるかもしれないという研究報告が先日登場しましたので、ご紹介します。(人間での大規模研究です)
ここで報告された結論の概要としては
「ステロイド剤の主要成分であるグルココルチコイドの慢性的な使用は、精神神経系の副作用に関与している可能性がある」
というものです。長期的、慢性的に使用している患者ほど、脳の特定の部分の構造に影響が出たという趣旨の報告となっています。
特定の部分というのは、脳の白質/灰白質とよばれるところで、MRIなどで見ると「白く写っている部分/グレーになっている部分」です。
ステロイドの長期使用によって、この両者の比率や構造に変化が出、認知能力などに影響が出たと報告されています。
対象者たちは健常者と比較し、認知テストでの成績が悪く、より多くの抑うつ症状、 緊張/無気力、疲労感/無気力、と記録されています。
※この研究はオランダにある「ライデン大学医療センター医学部内分泌科」のMerel van der Meulen博士 によって行われました。
https://bmjopen.bmj.com/content/12/8/e062446
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ステロイドは「なぜ免疫の誤作動が起きているのか?」の根本部分は解決しないため、不具合が起きている本質の部分は別途見つめていく必要があります。
アレルギーのある個体の腸内細菌組成は、ほぼ例外なく「大きく崩れている」ため、この部分のケアこそが、ステロイドへの依存を減らす、もっとも重要な選択肢と言えます。
