Foremaでは自家製の発酵食品を作っています。
キャベツを塩漬けにしただけのForema製ザワークラウトからは、1ヶ月もすると40種類以上の乳酸菌群が検出されました。(16sRNA解析により検証)
さて、これらの乳酸菌たちは一体どこからやって来たのでしょうか?
乳酸菌は最初からそこにいる..
どこからともなくやってきたように見える乳酸菌たちは、実は最初からそこにいます。
きれいに洗ったキャベツの表面には、乳酸菌を始め、多数の在野の細菌たちがひっそりと息を潜めているのです。
塩漬けにすることで多くの細菌たちは死滅,もしくは大幅に勢力を失います。
その過程で塩分に強い乳酸菌らが生き残り、周辺を酸性に傾けながら増殖します。結果として腐敗菌らが活躍できず、乳酸菌発酵が進みます。酸っぱい発酵食品の出来上がりです。
尚、発酵食品が酸っぱいのは、ヘテロ乳酸菌が生み出す酢酸によるものです。
- ホモ乳酸菌:大量の乳酸を生み出す
- ヘテロ乳酸菌:ほどほどの乳酸と酢酸を生み出す
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除菌や殺菌という考え方..
スーパーに出荷する前、集積所では野菜用洗剤などでじゃぶじゃぶ洗浄することがあります。
こういう野菜でザワークラウトを作ると、貧弱な結果になることは予想できます。
更に上流にさかのぼると、多くの農園(※)ではどうしても農薬が不可欠です。(※すべての農園ではない)
土壌の殺菌や、定期的な殺虫が前提の農業現場で、乳酸菌群だけが無事であるとは考えづらいことです。
有機栽培の野菜は安全さと栄養素の豊かさばかりが注目されますが、有益な微生物群の豊富さも特筆すべきポイントと言えます。
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市販の発酵食品はどうなっている?
市販の発酵食品は、全てではないかもしれませんがスターターと呼ばれる乳酸菌群の一式が使用されます。
発酵させる食材たちは一度"きれいに"され、事前に用意されたスターターの乳酸菌たちだけが発酵に関与する、管理された発酵活動と言えます。
これは品質の安定と安全のためにとても重要なプロセスですが、決められたメンバーで、決められた範囲だけでおさまる無難な発酵食品とも言えます。
自然界からやってきた、タフで幅広い乳酸菌群による発酵食品に勝るものはなく、それは高い湿度と豊かな自然、四季によって育まれた、日本ならではの稀有な財産と言えます。
日本人が世界一長寿なのは、延命措置が優れているからではなく、古来から続いてきた世界屈指の発酵食文化によるものです。
戦後〜高度成長期に断ち切られた「微生物たちとの関係」を取り戻すことで、「みんなアレルギーがある」という異常事態から脱する事ができるのではないでしょうか。
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