世界最古のワクチン

世界最古のワクチン

昨今、改めてワクチンが話題になっています。SNSの一部ではネガティブな情報もしばしば見られます。

ここでは、原点に帰り、「ワクチンのはじまり」に触れてみたいと思います。

世界最古のワクチン

世界最古のワクチンは1700年代の後半にまでさかのぼります。 当時世界中で猛威を奮っていた天然痘(てんねんとう)は非常に致死率が高く、人類全体にとっての脅威でした。一方で、理由は不明ながらも「天然痘を生き延びた人は、次は天然痘にはかからない」という事も知られていました。

インドや中国などでは古くから、天然痘患者の膿疱などを健常者に接種させて予防する荒々しい民間療法が存在していたらしく、また西洋では牛痘(ぎゅうとう)に感染した酪農婦は天然痘には感染しにくいという知見も得られ始めており、これらが下地となってワクチン開発に至ります。

ジェンナー医師

実際にワクチン開発に貢献したのは英国のエドワード・ジェンナー という医師でした。人間の天然痘を予防接種に使用すると危険だが、牛痘を使用すれば死亡リスクなしで天然痘を防げると結論づけ、牛痘の膿疱(のうほう)を活用する方法を開発しました。これが世界最古のワクチンとなり、現代のウイルス感染症予防の第一歩となっています。

※ワクチンは「牛」を意味するラテン語の「ワッカ」が語源

ただし、当時はなぜ「牛痘」接種で「天然痘」が防げるのかの詳しいメカニズムはわかっておらず、社会からは批判的な声も多く聞かれたとされています。

その後も多くの医者や科学者が尽力し、20世紀に入ってようやく獲得免疫の仕組みが解明されるに至っています。

先人から学ぶ

人間は社会的な生き物です。よく分からないものには不安を感じ、それは伝播して増幅されます。

そんな中、人類全体の課題の解決に生涯を捧げた数多くの先人たちの存在を知る事で、冷静に物事が判断できるのではないでしょうか。

ブログに戻る