1,000頭近い犬と猫の腸内細菌を解析してきた知見を元に、犬と猫の乳酸菌サプリ、乳酸菌入りの製品についてご紹介します。
犬と猫におすすめの乳酸菌サプリ
腸内免疫ラクトマン(生きた乳酸菌)
https://fore-ma.com/products/387
下痢や便秘、炎症性のトラブルなど、犬と猫双方で実績のある乳酸菌サプリ
- 特徴
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- 23種の乳酸菌(生菌21種 + 死菌2種)
- フラクトオリゴ糖配合
- シンバイオティクス
- バイオジェニックス
- 品質を維持する冷凍サプリ
このサプリは「生きた乳酸菌を高濃度で、可能な限り多種類を」という趣旨で設計されています。生きた乳酸菌(生菌)を21種使用しており、国内では唯一であろう冷凍サプリとしてお届けしています。加えて乳酸菌の死菌を2種配合し、合計で23種の乳酸菌群の摂取が可能です。
さらに、乳酸菌生産物質(バイオジェニックス)も配合し、乳酸菌づくしのサプリメントと言えます。
ラクトマンはどんな時に使用すべき?
犬と猫の整腸全般に貢献しますが、特に感染症に由来する下痢や嘔吐の多い個体の飼い主さんから好評をいただいています。
生菌と死菌の詳細については後述します。
腸内免疫らくさん(酪酸菌を育てるサプリ)
https://fore-ma.com/products/387
腸内の有益なグループである酪酸菌たちを育成する趣旨のサプリです。乳酸菌の死菌を使用しています。
- 特徴
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- プレバイオティクスが主体(レジスタントスターチ/イヌリン)
- レスベラトロール配合xx
- 乳酸菌(死菌)を高濃度配合
このサプリ酪酸産生菌(らくさんきん)の育成が主眼のため、生きた乳酸菌は使用せず乳酸菌の死菌を使用しています。
乳酸菌は死菌のみにする事である程度コストが抑えられ、プレバイオティクスの強化ができる上、冷凍保管が不要になり、扱いやすさやコストの削減が可能になります。尚、このサプリで使用している乳酸菌粉末は、腸内の既存の乳酸菌たちの増加に貢献します。(社内検証済み)
「らくさん」はどんな時に使用すべき?
犬と猫の整腸全般に貢献しますが、慢性的な消化器トラブル/皮膚トラブルの個体で良い働きをする傾向があります。腸内フローラ検査などで、すでに腸内の酪酸産生菌が枯渇していることが分かっている場合など、特におすすめです。
口腔免疫Oral 乳酸菌 (口腔ケア用の生きた乳酸菌)
https://fore-ma.com/products/385
口腔ケアを目的に選抜した、5種の生きた乳酸菌+酵母のサプリメント
- 特徴
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- 口腔ケアに照準を絞った、5種類の生きた乳酸菌を使用
- 口腔ケアに貢献する生きた酵母を使用
- ラフィノースを配合(プレバイオティクス)
- 品質を維持する冷凍サプリ
国内では実質的に唯一と言える、生きた乳酸菌の高濃度冷凍サプリ。口腔内の歯周病菌や病原性細菌に対する生物的防除の視点から選抜された、5種類の乳酸菌群を高濃度配合した冷凍サプリです。通常、生菌は常温では時間の経過とともに数を減らしていくため、ご自宅でも冷凍保管をお願いしています。
「Oral乳酸菌」はどんな時に使用すべき?
口腔トラブル全般に課題を持っている飼い主さんにご好評をいただいています。当サプリは口腔内の生態系に大きな変動を与えることで、正常化に向けてサポートしていく設計です。
Forema Nature 腸内細菌
https://fore-ma.com/products/266
サプリではありませんが、鹿肉に2種類の乳酸菌(死菌)を高濃度配合した整腸フードです。
- 特徴
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- 2種類の乳酸菌(死菌)を高濃度配合
- 2種類のオリゴ糖を配合
- 鹿肉が主原料
- 寒天配合で多糖類(食物繊維)の補充にも
鹿肉が原料のウェットフードに、サプリ並みの高濃度で2種類の乳酸菌を配合しました。これら2種は、ともに腸内の既存の乳酸菌群の育成に貢献する上、オリゴ糖2種の高濃度配合で整腸に大きく貢献します。
総合栄養食 Forema Basis
https://fore-ma.com/products/forema-basis-deer
サプリではありませんが、乳酸菌4種を配合した犬用総合栄養食です。
- 特徴
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- 4種類の乳酸菌(死菌3+生菌1)を配合
- 4種類のプレバイオティクスを配合
- 鹿肉と鹿の内臓が主原料
- 保存料や着色料など不使用
鹿肉が主原料の良質なフードに、整腸成分として乳酸菌とプレバイオティクスを配合しました。乳酸菌配合とうたったフードは世に多数存在しますが、Forema Basisは一般的なフードよりも多種多量の乳酸菌を使用しています。
4種のうちの2種は、(高額なため)ペットフードではほとんど使用されることのないラクチプランチバチルス属の乳酸菌を使用しており、社内検証でも良好な結果を得ています。
乳酸菌3種/プレバイオティクス3種を使用した猫用もあります。
https://fore-ma.com/products/forema-basis-venison-cat650
乳酸菌 生菌と死菌って何?
サプリやフードに使用される乳酸菌は、大きく分けて生菌と死菌の2タイプが存在します。それぞれ特徴や用途が異なります。
生菌:生きた乳酸菌
文字通り生きているため、腸内の構成メンバーに影響を与えます。生きた乳酸菌は抗菌活性の働きがあり、感染症対策や腸内環境の改善に貢献します。腸内の乳酸菌群がほぼ枯渇している場合など、多数の乳酸菌群が必要な際には積極的な摂取をお勧めします。
ただし1種類だけの接種では力不足となる強い傾向があるため、継続的に複数種を高濃度で摂取する必要があります。オリゴ糖などのプレバイオティクスとの併用で大きく効果が向上するため、併用は必須と言えます。
生きた乳酸菌 メリット
- 腸内で生きて活躍する
- 抗菌活性により感染症対策に貢献
- 一定期間定着する(種類や環境にもよる)
生きた乳酸菌 デメリット
- 本物は高額
- 胃酸の影響を受ける(何割かは途中で死ぬ)
- 1種類だと力不足
死菌:死んだ乳酸菌
死菌は乳酸菌の死骸です。生物(なまもの)ではないため品質が安定しており扱いやすく、腸内でも安定的な影響を与える傾向があります。死んでいるため、他の有益な細菌たちのエサとなったり、腸壁に取り付いて免疫を刺激するなど、生きた乳酸菌とはまた違った働きをします。
死菌は製造や管理のしやすさから単価が安く、よって同じ価格でも多量を摂取できるメリットがあります。ただしそもそもの働きが異なるため、菌数で比較するのはミスリードとも言えます。
死んだ乳酸菌 メリット
- 安定して効果が得られる
- 単価が安い
- 胃酸の影響を受けない
死んだ乳酸菌 デメリット
- 生きて働くわけではない
- 腸内環境の悪化がひどい場合は力不足
- あくまで補助的な存在
乳酸菌にデメリットはある?
乳酸菌そのものには、基本的には大きなデメリットはありません。ただし下記のような場合は注意が必要です。
目的と合っていない場合
下痢などの消化器トラブルや、かゆみなどの皮膚トラブルの流れで、無条件に乳酸菌が選ばれることが少なくありません。背景には乳酸菌が万能という誤認があるように見えます。
上述のように、乳酸菌は生菌/死菌で目的や用途が異なる上、そもそも起きている不具合に対して乳酸菌が有効か否かの検証はほとんどなされていません。
こういう場合、不具合の原因が乳酸菌の守備範囲とは全く別の場所にあっても、「乳酸菌を飲んでいるから大丈夫」となり、効果を発揮しないまま時間だけが過ぎていきます。(結果として時間切れになる場合があります)
摂取そのものがリスクとなる場合
稀な例ですが、犬や猫の腸内で乳酸菌やビフィズス菌が異常増殖する事例があります。下痢や嘔吐、血便といった症状として表面化することが多いですが、多くの場合「IBD疑い」などの診断で、時に乳酸菌を摂取し続けている場合があります。
乳酸菌もビフィズス菌も、時に感染症に発展することがある他、IBDの1つのパターンとしてビフィズス菌の過剰増殖というパターンがあります。
また全身生エリテマトーデスの特徴として乳酸菌群の過剰増殖の報告もあり、これらに対して無条件で乳酸菌を摂取するのは大きなマイナスになる可能性があります。
腸内トラブル/皮膚トラブルであまりにも改善が見られない場合、腸内細菌解析を実施し、本当は何が起きているのかをしっかり把握してあげる必要があります。
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生菌と死菌についての市場の問題点
意図的なミスリードが多い
死菌は単価が安く、また例えばフェカリス菌を加熱した乳酸菌粉末(原末)は1gで1兆個を超える菌体が含まれるようなものもあります。ただしこれらは死骸という点をしっかり認識する必要があります。
世の中には「ヨーグルトの○○倍」などのキャッチコピーが溢れていますが、これは死菌と生菌(ヨーグルト)を意図的に混同して比較する悪質なコピーと言えます。
生菌と死菌は用途が異なる上、そもそもフェカリス菌とヨーグルトの乳酸菌群は種類が全く異なります。数が多そうだと何となく凄そうに聞こえますが、生菌か死菌かで意味合いが大きく異なりますので注意が必要です。
無知によるミスリードが多い
生菌と死菌を混同させるコピーよりもさらに問題なのが、事実とは大きく異なるキャッチコピーが氾濫している点かもしれません。
例えば、「死菌は生菌よりも定着しやすい」とか、死菌を「生きた乳酸菌」と記載している例など、目を疑うものは多数存在します。
ただしそれらは、騙そうとしているというより、本当に無知な人たち、品質に全く興味がない人たちが片手間でやっている結果であることが大半のようで、これこそが本質的な問題と言えそうです。
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