犬と猫にも!?タウリンと長寿の話

犬と猫にも!?タウリンと長寿の話

多くの方が耳にした事であろう成分、タウリン。近年の長寿研究の中で、タウリンにもアンチエイジングの働きがある事がわかってきました。知っているようでよく知らない、タウリンについて深掘りします。

タウリンってなんだろう??

アミノ酸の一種

タウリンは、広範な生理学的役割を担う含硫アミノ酸(後述)です。体内で合成されるほか、食事を通じて摂取されることもあります。タウリンは特に魚介類や肉類に多く含まれています。

タウリンの働き

その主な機能には、次のようなものがあります。

  • 心臓機能のサポート:タウリンは心臓の健康を維持するために重要であり、心筋細胞のカルシウム濃度を調節して、正常な心拍数を保ちます。
  • 抗酸化作用:タウリンは細胞を酸化ストレスから守る役割を果たし、細胞の健康を保つ助けをします。
  • 神経伝達:タウリンは神経細胞の働きを助け、神経伝達物質の放出や取り込みを調整することで、脳の機能をサポートします。
  • 視力の維持:タウリンは網膜に多く含まれ、視力の維持に寄与します。
  • 胆汁酸の生成:タウリンは胆汁酸と結合し、脂肪の消化と吸収を助けます。

タウリンはエネジードリンクやサプリメントにも含まれており、特に疲労回復やスタミナ増強を目的として利用されています。ただし、本来であれば通常の食事から十分な量が摂取できるため、特別な理由がない限り、過剰な摂取は不要と考えられます。

含硫アミノ酸とは?

含硫アミノ酸とは、その分子構造に硫黄(S)原子を含むアミノ酸のことを指します。文字通り硫黄が含まれているため、特定の化学的特性や生理学的機能があります。代表的な含硫アミノ酸には、次のようなものがあります。

  • メチオニン:必須アミノ酸の一つで、体内で合成することができないため、食事から摂取する必要があります。メチオニンは、蛋白質合成の際に重要な役割を果たし、体内で他の含硫アミノ酸であるシステインに変換されます。
  • システイン:非必須アミノ酸であり、体内でメチオニンから合成されます。システインは、グルタチオンという重要な抗酸化物質の構成成分であり、細胞を酸化ストレスから保護します。また、ケラチンというタンパク質の構成成分として、髪や爪の健康にも寄与します。
  • タウリン:非蛋白性アミノ酸で、システインから生成されます。前述のように、タウリンは心臓や脳、筋肉、目など多くの器官で重要な役割を果たします。

これらの含硫アミノ酸は、体内での多様な生理的機能をサポートし、健康を維持するために欠かせない成分です。

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タウリンは長寿に貢献するかもしれない

近年発展のめざましい長寿研究の領域。長寿成分NMNなどで日々新たな発見が報告されていますが、そんな中でタウリンも長寿に貢献する可能性が報告されています。

以下、いくつかご紹介します。

マウスの平均寿命が伸びた

老化研究ジャーナル Nature Agingで紹介された2023年の報告では、タウリンの血中濃度が加齢とともに減少することが示されており、その減少が老化に寄与する可能性があると記載されています。研究者たちは、タウリンを補給した動物モデル(マウス、サルなど)で寿命が延びることを確認しました。特に、タウリンを補給したマウスでは平均寿命が10〜12%延びたことが報告されています​​。

https://www.nature.com/articles/d41586-023-01910-4

https://www.nature.com/articles/s43587-023-00465-3

タウリンが老化を遅らせる可能性

コロンビア大学の研究者たちは、タウリンが老化プロセスを遅らせる可能性があることを発見しました。彼らの研究では、タウリン補給がマウスやサルにおいて寿命を延ばし、健康状態を改善する効果が確認されました。また、タウリンレベルが高い人々は、2型糖尿病や肥満、高血圧、炎症が少ないことが観察されました​ (ScienceDaily)​。

https://www.sciencedaily.com/releases/2023/06/230608195654.htm

タウリンで筋力と持久力、骨密度が向上の可能性

この研究では、タウリンが老化関連の体重増加を抑制し、エネルギー消費を増加させ、骨密度を高め、筋肉の持久力と強度を向上させる効果があることが示されました。特に、タウリンを摂取した中年のサルでは、体重増加が抑制され、空腹時血糖値と肝臓損傷のマーカーが低下し、骨密度が向上しました​ 。

https://www.columbiadoctors.org/news/taurine-may-be-key-longer-and-healthier-life

これらの研究は、タウリンが老化プロセスに対して有益な効果を持つ可能性を示唆しており、将来的な臨床試験が期待されています。しかし、これらの結果が人間に対しても同様に当てはまるかどうかを確認するためには、さらなる研究が必要です。

タウリンを摂取するには何を食べるのがいい?

タウリンを摂取するためには、以下の食品が良いとされています。

  • 魚介類: 特に貝類やイカ、タコなどには高いタウリン含有量があります。例えば、ホタテやアサリには多くのタウリンが含まれています。
  • 肉類: 特に鶏肉や牛肉にはタウリンが豊富に含まれています。特に内臓肉(レバーなど)はタウリン含有量が高いです。
  • 乳製品: 牛乳や乳製品にもタウリンが含まれていますが、含有量は魚介類や肉類に比べて少なめです。
  • 内臓類:
    1. 鹿レバー 肝臓(レバー):一般的に入手可能なレバーはタウリンが豊富です。肝臓にはその他の栄養素も多く含まれており、栄養価の高い食材と言えます。
    2.  心臓(ハツ):心臓もレバー同様にタウリンを含む内臓肉の一つです。体内のタウリンは心臓に蓄積するため、最も摂取効率の良い部位と言えるかもしれません。
    3. 鹿の腎臓 腎臓:腎臓もタウリンが含まれています。 

これらの内臓肉は、タウリン以外にもビタミンB群、鉄分、亜鉛などのミネラルも豊富に含んでおり、栄養バランスを取るのに適しています。

タウリンは体内でも生成されるため、バランスの取れた食事を心がけることで必要な量を摂取することが可能です。

何となくよく聞くタウリン。実はとても有益な成分だという事がお分かりいただけたのではないでしょうか?

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